もりのぶ小児科|新宿区西五軒町の小児科

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MR混合ワクチンについて

麻疹風疹(MR)混合ワクチン(以下、MR混合ワクチン)は、麻疹と風疹を予防するためのワクチンです。
乳幼児でのMR混合ワクチンの接種が高い接種率で維持できており、乳幼児での患者発生は10~20年前に比べて大きく減少しました。

コロナ禍の前では、麻疹と風疹は海外旅行や留学等に関連して10〜20代の若者の間でも患者発生がありました。
コロナ禍での感染予防で一般の感染症が抑制されておりましたが、麻疹と風疹に罹る人が再び増える可能性があります。

ワクチン接種の重要性を再認識するために、この記事ではMR混合ワクチンについて解説していきます。

 

 

MR混合ワクチンとは

MR混合ワクチンとは、麻疹(はしか)と風疹(ふうしん)を予防するため、麻疹ウイルスと風疹ウイルスを弱毒化したワクチン株の2種が含まれた混合ワクチンのことです。

麻疹は感染力が高く、発熱と咳嗽などの強い症状があり、肺炎や脳炎などの合併症も起こしやすいです。
麻疹は、大人になって罹患すると、入院が必要になるくらいに重症化します。

また、風疹は風疹に対する免疫を持たない女性が妊娠初期にかかると、赤ちゃんが流産したり、先天性風疹症候群の病気をもって生まれてくる危険性があります。

ワクチンを接種することによって、麻疹と風疹に対する免疫ができるため、感染が予防されて重篤な合併症の予防にもつながります。

一般的には、1歳代と小学校入学前にワクチンを2回接種します。

 

麻疹と風疹の病気とは?

麻疹と風疹は、ウイルスによって感染する感染症です。それぞれの症状について説明します。

 

麻疹の症状

麻疹は非常に感染力が強く、子供に発症することが多い感染症です。潜伏期間は、約10~12日間といわれています。

典型的な症状は発熱、せき、鼻水、目やに、赤い発疹などです。症状が出てから数日間は38度前後の熱が続きます。39度~40度前後の高熱とともに発疹が現れます。
発疹は首から上に現れ、全身に広がっていきます。

多くの場合は1週間程度で自然に治りますが、中耳炎、気管支炎や肺炎や脳炎などといった合併症を併発する場合があります。

予防接種には合併症を予防する効果もあります。

また、麻疹ワクチン未接種の妊婦が麻疹にかかると脳炎などへ重症化したり、流産や早産をしやすくなる可能性があります。

 

 

風疹の症状

風疹とは発熱と発疹を起こすウイルス感染症で、潜伏期間は約14~21日間といわれています。

典型的な症状は、せき、鼻汁、赤い色の発疹、発熱、首のうしろのリンパ節の腫れです。

一般的には発熱とともに全身に発疹が現れます。中には目が赤くなるといった症状が出る場合もあります。

症状は麻疹よりも軽度の事が多く、「3日はしか」と呼ばれることがあります。

しかし風疹の免疫を持たない妊婦が、妊娠初期の段階で風疹ウイルスに感染すると、ウイルスが胎児に感染し、心奇形や眼の異常、聴力障害、発達の遅れなどの先天性風疹症候群を引き起こすことがあります。

 

 

MR混合ワクチンの接種スケジュール

子どものMR混合ワクチンの接種スケジュールは、1歳代に1期として1回行われます。
その後、
小学校就学年前の1年間に、2期として1回行われます。

合計2回の接種が、予防接種法に基づいて市区町村が主体で行われる定期接種として定められています。

各市区町村によって異なりますが、新宿区では1歳になる前に1期の予診票が送付され、小学校就学1年前の3月末頃に2期の予診票が送付されます。

1期と2期の接種時期以外は任意接種となり、希望により自己負担で接種することができます。

1歳代と小学校入学前の1年間の定期接種の2回の定期接種の機会を逃してしまったお子様や未成年の方は、市区町村によっては費用を補助してもらえる制度がある場合もあります。

まずは各市区町村に問い合わせてみましょう。

 

1期の接種時期

1歳~2歳未満のお子様が対象です。
1歳~2歳未満の間は、麻疹と風疹に罹患すると重症化する可能性が高いため、1歳になったらなるべく早く接種しましょう。

 

2期の接種時期

5歳以上7歳未満の小学校に入学する前の年長さんのお子様が対象です。
秋にある小学校入学時の就学前健診で予防接種歴の確認がありますので、接種の機会を逃さないように接種を進めましょう。

ワクチンを2回接種する理由は、1回接種しても免疫が落ちてしまったり免疫がつかない場合があるからです。

小学校での集団発生を起こさないように、入学前に免疫を強化する必要があります。 

 

 

MR混合ワクチンは大人でも接種できるの?

大人になってから今まで一度もMR混合ワクチンを受けていない方や、子どもの時に麻疹か風疹のワクチンを既に1回の接種は受けたことがあるけれども、患者さんと接触することがないなどの理由で免疫を強化する機会がなかった方も、2回目の接種が推奨されています。

医療従事者や教育関係者の方は必ず2回の接種を受けることをお勧めします。
また、海外渡航される機会のある方も2回の接種が推奨されます。

風疹ワクチンの場合は、妊娠時に風疹抗体価を測定する機会があります。

免疫を持っていない場合は、次の妊娠に備えてワクチンを接種することが推奨されています。授乳中でもワクチン接種は可能です。

予防接種を受けたか、感染したことがあるか不明な場合は、積極的にMR混合ワクチンを2回接種しましょう。

 

 

MR混合ワクチンを大人が接種する際の注意点

妊娠中の感染を予防するために、妊娠可能な年齢の女性はワクチン接種をすることができます。
しかし、MR混合ワクチンは生ワクチンのため、
妊娠中には接種ができません

ワクチン接種前にはあらかじめ約1カ月は避妊しておくことが望ましいです。
そしてMR混合ワクチン接種後は、約2カ月間の避妊が必要になります。

 

  

MR混合ワクチン接種にかかる費用

予防接種には、定期接種任意接種があります。
定期接種は、予防接種法という法律に基づいて、市区町村が主体となって公費で実施するものです。
一方、任意接種は希望者が自己負担で行います。

お子様の場合は、定期接種の期間内であれば全額公費負担でMR混合ワクチンを接種できます。
ですが、任意接種の場合は自己負担となり、病院によって値段は異なってきます。

当院では11,000円(外税含む)になっております。

市区町村によって、定期接種を受けられなかった方や、妊娠を希望する女性や配偶者を対象に、公費の助成がある場合があるため、各市区町村に問い合わせてみましょう。

新宿区では2歳以上18歳以下のもので定期接種未接種の方に対してMR混合ワクチンの接種が、区の助成の対象になっています。

風疹ワクチンについては、第5期として抗体検査及び定期接種を受けることができます。
また、新宿区に住民登録のある19歳以上の方で、妊娠を希望する女性(妊娠している方を除く)と、その配偶者又はパートナーもしくは同居者が対象となっています。

当院では成人のワクチン接種も対応可能です。

 子どもの予防接種:新宿区 (shinjuku.lg.jp)

MR(麻しん風しん混合)ワクチン定期接種未接種者への任意接種の全額助成を実施しています:新宿区 (shinjuku.lg.jp)

大人の風しん麻しん(はしか)抗体検査と予防接種の費用助成:新宿区 (shinjuku.lg.jp)

 

 

MR混合ワクチンと他のワクチンとの接種間隔

他のワクチンとの接種間隔については、2020年10月から変更がなされました。

異なるワクチン接種間隔について、注射生ワクチン同士を摂取する場合に27日以上の間隔をあける制限を維持しつつ、他のワクチンの組み合わせについて一律の日数制限を設けないことと定められました。

ワクチン接種に関するルールは以下の通りです。

・注射生ワクチンの接種後27日以上の間隔を置かなければ、注射生ワクチンの接種を受ける事は出来ない。

・注射生ワクチン同士以外のワクチンの組み合わせの場合は、前回のワクチン接種からの間隔に限らず次のワクチン接種を受ける事ができる。(変更されたルール。)

ワクチン接種から数日間は発熱・接種部位の腫れが発症する可能性があるため、次回のワクチン接種の前に掛かりつけの医師または医療機関に相談後、接種を受ける必要があります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

参考文献

「麻疹・風疹混合 (MR) ワクチンの2回接種における安全性と有効性」感染症学雑誌 82 巻 5 号 p. 414-418 (2008) 寺田 喜平, 尾内 一信, 庵原 俊昭, 岡田 賢司, 沼崎 啓https://www.jstage.jst.go.jp/article/kansenshogakuzasshi1970/82/5/82_5_414/_pdf/-char/ja