もりのぶ小児科|新宿区西五軒町の小児科

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はじめに

「りんご病」とも呼ばれる伝染性紅斑ですが、どのような原因で感染するかご存じでしょうか?

      本記事では伝染性紅斑について、以下の点を中心に解説します。

      • 原因と感染経路
      • 主な症状
      • 伝染性紅斑の検査と治療方法
      • 登園・登校の目安

      伝染性紅斑について正しく理解するためにも、参考にしていただけますと幸いです。

      ぜひ最後までお読みください。

       

      伝染性紅斑とは

      伝染性紅斑とは、ヒトパルボウイルスB19を病原体とする感染症であり、りんごとも呼ばれています。

      感染後10〜20日程度の潜伏期間の後、頬部の紅斑(りんごみたいな赤いほっぺ)や網状紅斑などの発疹など比較的軽度な症状が現れます。

      しかし、妊婦が感染した場合は流産を起こすリスクもあります。

      一般的には小児に多い感染症とされ、保育園や学校で感染が拡大してしまうケースがあり注意が必要です。

       

      伝染性紅斑の原因

      伝染性紅斑の病原体であるヒトパルボウイルスB19は、以下の経路で感染拡大していきます。

      • 接触感染
      • 飛沫感染

      感冒と同様な感染経路や同等の程度の感染力で感染が拡がります。

      このような感染経路から、保育園や学校など集団行動が多い場面で感染が広がります。

       

      伝染性紅斑の症状

      伝染性紅斑は、文字通り顔がりんごのように赤くなる症状が代表的ですが、ほかにも以下のような症状がみられます。

      • 両頬の紅斑
      • 手足にレース状または網目様の発疹
      • 発熱
      • 倦怠感
      • 関節痛、筋肉痛

      感染の10~20日後に、まず両頬に境界が明らかな紅斑が現れ、次第に手足に発疹が左右対称に広がっていきます。

      紅斑や発疹の出る7〜10日前に感冒症状(先行症状)がみられることがあります。先行症状がある間は感染力があり、紅斑や発疹が出る頃には感染力は次第に低くなり、消失します。

      紅斑や発疹は赤くなりますが、痛みやかゆみはほとんどなく、1週間程度で改善していきます。
      大人が感染した場合、症状が現れることなく(不顕性感染)自然と治まってしまうことが多いです。また、典型的な発疹でないこともあり、風疹等の他の疾患との区別が難しいです。

      しかし、溶血性貧血患者がヒトパルボウイルスB19に感染すると、汎血球減少を起こし重篤な状態に陥るリスクがあります。
      パルボウイルスB19に免疫のない妊娠中の方が、妊娠初期に感染してしまうと、胎児水腫・流産となる危険性もあります。

      感染を契機に、関節炎などの疾患を引き起こすこともあります。

       

      伝染性紅斑の検査・治療

      伝染性紅斑に対して、医療機関ではどのような検査があるのでしょうか?

      またどのような治療が行われているのでしょうか?

      詳しく解説していきます。

       

      伝染性紅斑の検査

      主な検査手段として、以下の検査が用いられます。

      • 身体検査
      • 抗体検査

      医療機関を受診すると、頬の紅斑などの特徴的な症状から、身体検査だけで診断が付くことが多いです。
      確定診断する際には、血液中のヒトパルボウイルスB19に対する抗体を調べる抗体検査を行います。
      ヒトパルボウイルスB19感染急性期に増加する「IgM抗体」を検出することで診断します。

      また、伝染性紅斑は5類感染症であるため、定点報告の対象となっています。

      指定の医療機関は伝染性紅斑の患者を診断した場合、週ごとに保健所へ届け出を提出する義務があります。

      参考:厚生労働省【感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について

       

      伝染性紅斑の治療と予防

      小児に多く感染する伝染性紅斑ですが、有効なワクチンや治療薬は開発されていません。
      伝染性紅斑の症状は、時間経過と共に改善していくケースがほとんどです。

      そのため、医療機関でも経過観察していくことが多いのですが、状態によっては対症療法も実施されます。
      発熱やのどの痛みが強い場合には消炎鎮痛、溶血性貧血のある方に対してはγ-グロブリン製剤の投与等が行われます。

      特異的な治療方法がない伝染性紅斑は、日頃からしっかり感染予防の対策をとることが大切です。
      接触・飛沫感染を防ぐためには、手洗いうがいの徹底、外出時のマスク装着が有効です。

      とくに、感染すると流産のリスクを背負う妊娠中の方は、予防を徹底する必要があります。
      不用意に人混みに入るのは避け、地域の感染流行状況にも気を配りましょう。

       

      登園・登校目安

      一般的に伝染性紅斑は、発疹症状が現れる前の感冒症状のある段階が、一番感染力の強い時期とされています。

      そのため、頬部の紅斑などの症状が出ている時期は回復期に近く、感染を広げるリスクが低いと考えられているため、登園・登校しても良いと判断される場合があります。

      基本的には主治医と保育園・学校側の判断を仰いでから登園・登校するようにしましょう。

      また、自治体や保健所では伝染性紅斑の流行状況に関する情報を発信しています。
      伝染性紅斑の症状のある方と接触した可能性のある場合は、保健所等に連絡し早急に適切な対応をとる必要があります。

       

      まとめ

      ここまで伝染性紅斑について解説しました。

      本記事の要点をまとめると以下の通りです。

       

      • 伝染性紅斑はりんご病とも呼ばれ、接触・飛沫感染することで発症する
      • 両頬の紅斑が特徴的な症状で、手足の発疹、発熱や倦怠感が現れるケースもある
      • 時間経過と共に自然と症状は落ち着いていく
      • 医師の許可が得られるまで、登園・登校は控えておく

       

      これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。

      最後までお読みいただき、ありがとうございました。